DIT(食事誘発性熱産生)の極意
早食いは昔から肥満のもとと言われています。 早食いは過食につながるためです。ではなぜ早食いすると過食につながるのでしょうか?
よく満腹になったときに腹十分目という言い方をしますが、ヒトは胃の容積が食べ物でいっぱいになって満腹を感じるのではありません。なぜなら胃を全部摘出したヒトも満腹や空腹を感じるからです。満腹感には血糖値の上昇やレプチン、コレシストキニンという食欲抑制ホルモンの分泌、咀嚼回数なども加わって得られるものなのです。
とくに早食いの場合、このレプチンやコレシストキニンそして咀嚼回数に大きな問題が生じます。 早食いはよく噛んで食べません。ファーストフード食などになると、それ自体柔らかいメニューになるため、なおさら早食いになってしまいます。
レプチンやコレシストキニンは大脳の視床下部の満腹中枢に満腹になったという連絡を伝えるホルモンです。早食いのヒトは、これらのホルモンが大脳に到達する前にどんどん食べてしまうためつい食べ過ぎてしまうのです。そして重要なのが咀嚼回数。よく噛んでいると、その咀嚼の刺激でヒスタミンという物質が分泌され満腹中枢に満腹を知らせてくれるのです。これにより食欲が抑制されます。さらによく噛むことでDIT(食事誘発性熱産生)が上昇、カラダの代謝がアップするのです。
DIT(食事誘発性熱産生)とは
口に食物が入って噛んでそして飲み込み、消化・吸収するまでの間にエネルギーを消費して熱が発生します。 これを「食事誘発性熱産生DIT」と呼びます。
よく噛んで食べるのと、ぜんぜん噛まないのとではDITが4倍も違うというデータもあります。 たとえば、よく噛まないといけないメニューを食べたときカラダが温まってきたり、汗ばんだりした経験があると思います。これはDIT反応によって、食べるのと同時にどんどんカロリーが消費されて代謝が上ってくるため。
このDIT(食事誘発性体熱産生)と呼ばれる反応は、1日の総消費エネルギー量のうち10%を占めるといわれています。基礎代謝量が70%、生活活動で消費されるエネルギーが20%、DIT反応が10%という内訳になります。
太りやすい体質と遺伝の関係
肥満には遺伝的要素があり、遺伝要素30%環境要素70%と言われています。 基礎代謝も遺伝的影響を受けるため、太りやすい体質は生まれもった体質であるということがいえます。 太りやすい体質の方は、基礎代謝が低くDIT(食事誘発性熱産生)も弱いことがあげられます。 つまり、筋肉が多い人、運動をする人ほどDIT(食事誘発性熱産生)反応が高く、肥満や糖尿病の人はDIT反応が低くなります。
また、年齢とともに低下します。 DIT(食事誘発性熱産生)反応の高い人は、食事をしながらエネルギーを活発に消費するので食べた分が脂肪として吸収されにくいことが言えます。しかしDIT(食事誘発性熱産生)反応の弱い人は、食べた分だけ脂肪として体内に蓄えられやすく、同じ食事量でも太りやすいことが言えます。
ただ、遺伝的に太りやすい体質の人でも、日頃からこまめに体を動かし運動することにより筋肉が増え、基礎代謝が高まります。またDIT(食事誘発性熱産生)反応を高める方法もありますので、まったくあきらめる必要はありません。
朝食とDIT(食事誘発性熱産生)
DIT(食事誘発性熱産生)反応は朝が最も高くなります。そして時間とともに下降していきます。 そのため朝食は、多少食べすぎたとしてもDIT(食事誘発性熱産生)反応の亢進で消費エネルギーが活発になります。
しかし夜中は体脂肪の合成が高まっている上に、DIT(食事誘発性熱産生)はほとんど機能しなくなります。 夜食が肥満の原因になるのはこのためです。 朝食を抜くと太りやすくなるのは、このDIT(食事誘発性熱産生)反応が得られないことも根拠の1つにあげられます。
朝食のときによく噛んで食べることによりDIT(食事誘発性熱産生)反応が上昇して代謝もあがり、その日の脂肪の消費効率もあがります。DIT(食事誘発性熱産生)によってダイエットに必要な脂肪燃焼効果を十分得ることができるのです。
DIT(食事誘発性熱産生)反応を上昇させるために
DIT(食事誘発性熱産生)反応は時間や食べ方、食事内容によってかわってきます。 基礎代謝をあげて脂肪を体内に溜め込みにくくするためにも、日頃からDIT(食事誘発性熱産生)のことを意識して食事しましょう。 DIT(食事誘発性熱産生)を高めるポイントは、
■とにかくよく噛んで食べる■ まずは、よく噛んでゆっくり食べる事が大切です。またよく噛むことによってヒスタミンという物質が分泌されます。 ヒスタミンは、食欲抑制作用、内臓脂肪分解の促進、脂肪合成の抑制、エネルギー消費を増大させる作用があります。また肥満遺伝子レプチンの分泌が増えるとヒスタミンも活発に働くことが知られています。 食事のメニューに固くて食べ応えのあるものを加えましょう。 ゴボウなどの根野菜や、玄米、豆類、ごまめなども積極的にとり入れてください。 たんぱく質も多く含んで栄養バランスのよいスリムパックバーは、食べ応えのある固くて美味しい手軽なバータイプなのでおすすめです。
■冷たいものより温かいものを食べる■ 温かいスープはぜひとり入れていただきたい一品です。食事の最初に摂るのがコツです。 またカラダを温めてくれる、にんにく、しょうが、こしょうなども料理に積極的にとり入れてみましょう。
■たんぱく質をたくさん摂って食べる■ たんぱく質を多く含む食品は、肉・魚介類・卵・乳製品・豆類などになります。 ただ、肉や乳製品、卵には飽和脂肪酸やコレステロールもたくさん含まれているので控え目にする必要があります。たんぱく質は、なるべく魚や豆から摂りましょう。特に大豆たんぱくは他のたんぱく質よりも脂肪を減らす効果が高いという研究結果があります。納豆や豆腐などの大豆加工食品を毎日摂るようにしたいものです。
■朝食はしっかり摂る■ 朝はDIT(食事誘発性熱産生)が最も高くなるとき。この時間を逃してはいけません。朝食はかならず摂るように心がけましょう。 もしも、朝食が食べられないときがあれば、ガムを噛みましょう。
■美味しく楽しく食べる■ これも重要です。美味しく楽しく食べると、脳が刺激されてカラダを温める物質が分泌されます。これにより、DIT(食事誘発性熱産生)反応が高まると言われています。ダイエット中だからこそ美味しく楽しく食べたい。低カロリー料理の定番、野菜やキノコ、海藻などをふんだんにとり入れて毎回の食事を楽しく過ごしましょう。
■食前に軽く運動する■ 食べる前に少しカラダを動かして温めておくと、DIT(食事誘発性熱産生)反応が高まりエネルギー消費量がより増大します。 たとえば朝食前のラジオ体操。真剣にすれば汗ばむほどになります。
■日頃からこまめに運動をとり入れる■ DIT(食事誘発性熱産生)は筋肉を増やすことで高まります。とくにダイエット中は筋肉が減る傾向にあります。 かならず日頃から運動を意識して習慣づけることが大切です。激しい運動は必要ありません。 毎日できそうなチョコチョコした運動をとり入れることが一番長続きできる秘訣です。 エレベーターやエスカレーターは使わない、大股で歩く、タクシーに頼らない、家の中でもこまめに動くなど無理なくすぐにできることからはじめてみましょう。
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